凡豆に初めてご来店下さった方がよくおっしゃるのが「レトロな感じですねぇ。」という一言。確かに65年以上もやってる店ですから良くも悪くもおっしゃる通りです。昔からの住宅地のなかにあって、その間に挟まれるように小さくたたずむ黒い木造家屋、うっかりすると前を通り過ぎてしまうような間口の店なんです。 一昔前なら、そろそろ今風なきれいな店に立て替えたら、と言われそうなんですが、幸い「昭和レトロ」という言葉が生まれ、近くの古い町が「ならまち」として観光的に再生されたりしたことで、凡豆も意図せずその仲間入りしてしまったというのが現状なんですね。 実際、65年以上もたつと、創業者がそろえた昔からの道具や調度品なども、ちょっとご年配のお客様には懐かしく、若いお客様には珍しく、「レトロ」な雰囲気を感じて頂けるのでしょうね。その時々は新しかったり、 店の外観、内装も時折変更してきたものの、やはり昭和元年生まれの創業者の感性が色濃く反映しています。「レトロ」だから良いというのではなく、時代を色濃く反映させながらも現役であるというところに意味があるのでしょうかね。だいたい、奈良そのものがそういうところですよね。
こんな店にも最近、キャッシュレス決済導入のお勧めを頂くことがあります。実際カード払いでとおっしゃるお客様も時々いらっしゃいます。ですが、残念ながら凡豆はこちらも「レトロ」で、今だ現金のみ、昔ながらのレジで対応させて頂いております。御迷惑をおかけすることもありますが、凡豆は当面「レトロ」のままで行きたいと思っております。スタッフ一同この店に愛着を持っておりますし、この雰囲気を守っていくのもひとつの文化保存かと(少々大袈裟ですね、)思っています。今後ともよろしくお願い致します。
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