正倉院展が今年も開催されています。私も何年振りかに行ってきましたよ。コロナも少し治まって表通りは外国人客であふれかえっていますが、会場内は予約制ということもあって比較的落ち着いて見学できました。ゆっくり解説文を読んだりして、いまさらながらに知ることも多く貴重な時間を過ごさせて頂きました。
今回私が注目したのは、象牙で作られた長さ1尺のものさしでした。白い象牙の板に手加工とは思えないきちっとした黒線で、1寸、1分と、きれいに10進法の目盛りが刻まれています。精密な厨子や、机、ひいては大仏殿のような建築まで、緻密で正確なすばらしい加工技術の原点を見た思いでした。
今から1200年も前に、既に現在と遜色のない、いやそれ以上の物が作られていたことに本当に感動させられます。昨日今日出来るようになったと思うような事が、1200年も前にできていた、ということに現代人の思い上がりを感じます。まさに正倉院というタイムカプセルが現代人へ伝えてくれるメッセージに触れた思いのひと時でした。
(※今回は、凡豆のお客様から招待券を頂きました。貴重な機会を頂きありがとうございました。)
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