凡豆を代表するゴールドブレンドやエメラルドブレンド、これらの豆は、何種類かのストレート豆を一定の比率で混ぜて作ります。どんな豆を混ぜるのか、どんな比率で混ぜるのかは、それぞれの店の企業秘密であり、オリジナリティの源泉です。そんなブレンド豆を混ぜるのが写真(下)の大きなステンレスのボールです。もう何十年も使っているものですが、直径80cmもあります。購入当時は結構な値段がしたのではないかと思われます。ここに、混ぜる豆をそれぞれ計量して放り込み、4、5種類の豆を偏りのないように両手両腕を使って丁寧によくよく混ぜます。10月に入って少し気温も下がってくると珈琲需要も増えて、このブレンド作業も一日に何度も行うようになります。ごらんになったお客様もいらっしゃることでしょう。
さて、夕方、秋の日が傾くと、南側の窓から日が差し込みます。その時、窓際のクラゲ水槽(以前のブログで紹介)がプリズムになって、ちょうどこの大きなボールに夕日のスペクトルを映し出します。はっと、息をのむような瞬間です。ブレンドされた太陽光がそれぞれの色の光に分けられて見える訳ですね。なんと豆のブレンド場所にふさわしい光景、まさに、長年この作業を支えるボールを称えてくれているかのような秋の幸せな一コマです。
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