今年最後のうんちくを・・・

コロナで明け暮れた1年が過ぎようとしています。そのような中でも、凡豆の珈琲を変わらず御贔屓いただきまして有難うございました。また、ネットなどで凡豆を見つけ、お家時間に役立てて頂いた新しいお客様も本当にありがとうございました。さて、このブログは、凡豆のことや、珈琲に関するうんちくなどを書連ねて参りました。年の終わりは、人気TV番組「チコちゃんに叱られる」風に始めてみようと思います。

 「ねえねえ、珈琲の好きなステキなあなたは、なーんで珈琲豆が焦げ茶色をしているのか知ってますよねーえ?」「そりゃ、もともと黒っぽい豆なんじゃないの?」「ウーっ!バーカ言ってんじゃないよ!!!」・・・ってわけで、何ででしょう?ちょっと普段お求め頂いている豆を思い出して下さい。濃いこげ茶からライトブラウンまで結構幅がありますよね。これって、豆の種類が違うのではないんです。珈琲の生豆はどれも薄緑色か薄黄色です。煎りかたが違うんです。(業界では煎るって言わないで焼くなんて言いますが、また英語ではローストですが、要は煎るんです!!)つまり、煎り上げの温度が低い浅煎り豆はライトブラウン、煎り上げ温度が高い深煎り豆はダークブラウンという訳です。この違いを、明るい方から、ミディアム、ミディアムハイ、シティ、フレンチ、イタリアンなどと呼んでいます。では、この色の変化は何なのか、ということですが、皆さん、パンをトースターで焼くとキツネ色になりますよねェ、またステーキを焼くと次第に表面が茶色くなってさらに焼くと中まで茶色くなっていい匂いがしてきておいしく仕上がりますよね。これと、珈琲豆も同じなんです。この反応を調理科学の世界では「メイラード反応」なんて言います。糖類とアミノ酸が反応するんです。さらに糖類のカラメル反応でもっとこげ茶になります。火加減や、時間をうまく調整して、この反応を促し、ミディアムで仕上げたりイタリアンにしたりという訳です。時々、お客様でブレンド豆をくださいとか、ボンズブレンドをくださいとおっしゃる方がいらっしゃいます。苦味系のゴールドブレンドですか、マイルド系のエメラルドブレンドですか?とお聞きするのですが、はっきりしない。そこで煎り豆を出し、こげ茶かライトブラウンか見て頂くのですが、さあ、いつも気にしていないからとおっしゃる方がほとんどです。まあ、そんなものでしょう。どうぞ一度お手元にある豆の色を確認してみて下さい。珈琲の世界が広がりますよ! 

年の終わりは、長たらしいうんちく話になってしまいましたが、来年もこのブログは、珈琲マニアやプロの方向けではなく、ごく日常的に珈琲を嗜まれている方に役立つうんちく話を続けていきたいと思います。専門的な話はネットにいくらでも出ていますし、何よりも当店は平凡な豆を売っている「凡豆」ですから。 では、みなさん、今年も有難うございました。よいお年をお迎えください。来年はコロナも解決し明るい年になりますよう。

珈琲屋 凡豆-BON’S-nara japan

珈琲屋 凡豆-BON’S-公式ホームページ  奈良公園近くの住宅地にある珈琲豆焙煎専門店です。戦後まもなく操業して68年、焙煎一筋、毎日新鮮な珈琲豆を販売しております。